特集
恐れるべからず!金武でチーイリチャー(豚の血炒め)にチャレンジすべき3つの理由
金武に来たらぜひチーイリチャーに挑戦を。これを読めばあなたはきっとチーイリチャーを食べたくなる。そんな理由を3つご紹介します!
チーイリチャーとは?
みなさんはチーイリチャーという料理をご存知でしょうか?
チーイリチャーのチーを漢字で書くと「血」。イリチャーはイリチーとも呼び、だし汁を使って素材を炒め煮にした料理のこと。つまりチーイリチャーとは「血の炒め煮」。
チーイリチャーには豚の血を使ったものとヤギの血を使ったものがありますが、金武で主に食べられているのは豚の血の方。このチーイリチャーは金武を訪れたらぜひ食べていただきたいチャレンジしてほしい料理なのです。
いやいや、血の炒め煮って…と躊躇する気持ちもわかります。
しかしそんなあなたも最後まで読めばチャレンジしたくなるはず!
名前に恐れるべからず、レッツチャレンジ!チーイリチャー!
その1:チーイリチャーは金武に残る伝統食
沖縄では豚は鳴き声以外は全部食べると言われています。豚足はテビチの煮付け、耳はミミガーなどの料理として家やお店で食べたこともあるのではないでしょうか。顔もチラガーとして市場やお土産屋さんで売られているので、食べたことはなくとも見たことがあると思います。
しかし血を売っているところや、料理として提供しているお店はとても少ないのです。
実は、血の料理チーイリチャーを、年に数回食べるのは沖縄県で金武町民だけ。本当中南部ではほとんど食べられてないないのが調査によってわかりました(かりゆし塾26期第1班『血ぃGO!GO!』調べ)。
そもそもチーイリチャーは金武だけではなく、県内全域で食べられていました。戦前の沖縄では養豚が行われており、お正月やお祝い事の際に豚一頭を潰して食べるという習慣があったのです。そのときに出ていた料理のひとつがチーイリチャーです。それが戦争により沖縄の養豚は壊滅状態になります。しかし金武には移民の父と呼ばれる當山久三の影響で町出身の移民が多かったことや、屋嘉収容所があったことから、終戦直後のはやい時期から、ハワイや南米から支援の豚が届けられ養豚業が復活したそうです。このことから、戦前の豚料理が他の地域のように廃れてしまうことなく、金武では伝承できたのではないかと考えられています。
金武でチーイリチャーにチャレンジすべき理由その1
なかなかお目にかかれない沖縄の伝統食「チーイリチャー」が金武では脈々と受け継がれているから!
その2:沖縄の地にあった健康食
チーイリチャーは黒く、表面には油が光る、名前もさることながら、見た目もなかなかハードな料理なのです。
しかしこれこそが沖縄の地にあった健康食なのです。
チーイリチャーについて調査を行った、かりゆし塾26期第1班『血ぃGO!GO!』のメンバーのひとりである金城明美さんにお話を伺いました。
かりゆし塾は沖縄県経営者協会が主催する「21世紀の新しいふるさと沖縄をつくるために、豊かな感性を持ち、確実に成果をあげていける有為な地域リーダーを養成している塾」。金城さんのチームである26期第1班『血ぃGO!GO!』は地域の活性化プランとしてチーイリチャーをテーマにしたレポートを発表しました。
チームのメンバーは他地域出身でしたが、金城さんは地元金武町出身。チーイリチャーを調べる中で興味深いことがいくつもわかったそうです。沖縄県内で金武町民のみが年に数回チーイリチャーを食べるというアンケート結果もそのひとつ。金城さん自身、チーイリチャーは行事や祭の際に振舞われたり、外食で食べに行ったりと、2ヶ月に1度ぐらいの頻度で食べるそうです。ちなみに金城さん以外のメンバー8名は誰も食べたことがなかったそう。
金城さんは特に、栄養クリニック主宰の崎浜キヌさんのお話にハッとしたそうです。
「例えば沖縄ではゴーヤーやナーベラー(ヘチマ)のようなウリ系をよく食べますが、それらは体を冷やす性質があるので、夏に食べると夏バテ予防や食欲増進効果が得られます。チーイリチャーは、滋養強壮の食べ物であり、栄養的にはタンパク質、鉄、銅、亜鉛など増血に必要なミネラルを多く含んでいます。ですから、貧血改善、貧血予防の食事として理想的な食事というわけです。
また、肉から出る油もとてもいい油で、体の乾燥を防ぐ効果があります。肉の下味に使う味噌は、タンパク質を分解しやすくし、暑い沖縄で栄養を効率よく摂取しやすい調理法になっているんだと言われたんです。」
金城さんは続けます。
「仏教用語の身土不二(しんどふに)つまり “地元の旬の食品や伝統食が身体に良い”という言葉の通り、チーイリチャーは先人の知恵が詰まった理にかなった料理だったとわかったんです。
今は金武に残るある意味幻の伝統食ですが、昔から作られてきているにはわけがあるんですね。私も疲れたなと思った時に無性にチーイリチャーを食べたくなるんです。無意識に身体がチーイリチャーの栄養を欲しているのかもしれませんね(笑)」
ということで金武でチーイリチャーにチャレンジすべき理由その2
チーイリチャーは沖縄で暮らすために必要な栄養が詰まった健康食だから!
その3:美味しい!
さて、これまでいろいろ理由を並べてきましたが、いくら伝統食であっても、健康食であっても、やはり肝心なのは味。
実際のお味はどうなのでしょうか?
自分で食べてきました。
やってきたのはうしなー社交街入口にある久松食堂さん。
1966年創業の老舗です。
こちらが6時間かけて丁寧に作られたチーイリチャー。
さっそく食べてみましょう。
お、お、お、美味しい!
まろやかだけど、コクと旨味がぎゅーっと詰め込まれていて、生のニンニクがアクセントになり、ごはんがいくらでもすすみます。血を使った料理なので多少は臭みがあるかと思いましたが、臭みはまったく感じません。
こんな料理はじめて!
久松食堂さんには、チーイリチャーの進化版「チースパ」というメニューもあります。
これはチーイリチャーを沖縄そばの麺に絡めたもので、もともとは賄い飯だったものが人気が出て正式メニューに。
チースパどころか、チーイリチャーも食べたことのない女性の反応は…。
予想以上。言葉にならないほど美味しかったそうです(笑)
こちらも気になったらぜひチャレンジしてみてください。
金武でチーイリチャーにチャレンジすべき理由その3
チーイリチャーは美味しい!
金武町でチーイリチャーを食べられるお店
最後に金武町でチーイリチャーを食べられるお店を紹介します。
名前は同じチーイリチャーですが、それぞれ秘伝のレシピで作られており、味も見た目も違います。
これを機に食べ比べてみても面白いと思いますよ。
<久松食堂>
チーイリチャーを40年以上前から提供する老舗。「久松食堂がなかったら金武でもチーイリチャーは残っていなかったかもしれない」という人がいるほど、チーイリチャーを語るにも欠かせなお店です。
唯一無二の久松食堂のチーイリチャーをぜひお試しあれ!
ただし、売り切れ次第終了ですので、ご来店の際はお電話でご確認を。
<居酒屋 じんじん>
夜にお酒とチーイリチャーを楽しみたいなら居酒屋じんじんへ。
広い店内にメニューも150種類と、大人数で楽しめます。
<弁当屋の菜菜>
居酒屋じんじんの姉妹店。
バイキング弁当のおかずのひとつとしてチーイリチャーを少しだけ試してみたい人にオススメです!
<めーかちわったーまちSHOP>
地元のおばーたちの憩いの場でありながら、口コミで評判を集める「チーイリチャー」(要予約)は全国ネットのテレビ番組などでも紹介されています。
お店は不定休で、チーイリチャーも予約が必要なので、難易度は高めですがチーイリチャーを極めるならば押さえておきたいお店です。
<屋台村>
ゆんたく市場の目の前にあるお弁当屋さん。
アグーチーイリチャーののぼりが目印です。朝は4時から、日曜日にもやっている嬉しいお店です。
<金武町の祭>
お店ではありませんが、金武町の祭のときにチーイリチャーが振舞われることもあります。
金武町には5地区ありますが、地区ごとにそれぞれの味があるとか、料理番が決まっているとか、調理法は秘伝だとか、数々のこだわりがあるらしいとは『血ぃGO!GO!』の金城明美さん。
タイミングがあえば、こちらもぜひ食べてみたいですね。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
金武町観光の最新情報をお届け